日本財団 図書館


 

基づいて契約は成立する。
2.本モデル交換協定書における契約成立の時期
(1)当事者間における明示的な合意の必要性
電子データ交換を使用して取引を行う場合、必ずしもすべてのEDIメッセージが契約の申込または承諾としての効力を生ずるものではないから、どのEDIメッセージが契約の申込または承諾の意思表示に該当するのか、それらのメッセージの伝送(意思表示)が何時なされ、何時その効力を生ずることになるのかといったことが問題になるので、当事者間において、これらの事項について明確に合意しておくことが必要である。
また、契約成立の時期を明確にすることは、多くの場合に、法律上重要である。隔地者間における契約が郵便、電信、電話またはテレックスによって締結される場合、契約の成立時期に関する原則は法律または判例等によって定められている。しかし、その原則は国によって異なるので、貿易取引当事者間においては、契約成立の確認と安全を期するために、通常、申込の承諾が申込者に到達した時にその効力が発生する旨を明示的に合意している。EDIによって締結される契約の成立時期についてはまだ法的に確立していないので、もちろん、EDI取引の当事者間においてもこの問題について予め合意しておくことが大切である。EDIによる契約成立の確認および安全を考慮する場合、契約の成立は申込の承諾が申込者に到達したときとすることが原則であると考える。本モデル交換協定書は、このような考え方に基づいて、契約の成立時期に関する規定を設けている。
(2)到達主義の原則を採択
本モデル交換協定書は、「契約の成立の時期」について、「本協定書に基づいて電子データ交換を使用して締結された契約は、申込の承諾として送信されたメッセージが第3.1条の規定に従って受信されたとき、成立したものとみなす」旨を規定することにより、EDIメッセージの効力発生が到達主義の原則によることを明確にしている。
そして、「受信」について、第3.1条は、「本協定書に従って発信されたメッセージは、技術的附属書に指定する方法で受信者にアクセス可能(accessible)となった時に受信されたものとみなす。このように受信されるまでは、発信されたメッセージはいかなる法的効

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION